玄海原子力発電所

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     みなさん、こんにちは。久しぶりの更新です。

     3月20日の休日に、大震災以来、連日話題になっています原子力発電所に行ってきました。玄海原子力発電所。場所は佐賀県北西部の東松浦半島にある玄海町です。車を走らせ玄海町に入ると、道路沿いにこのような看板が建っていました。

     

     

     「こころ夢見るアトムの町」

     ここ玄海町で原子力発電所の建設が始まったのは1970年ですから、丁度大阪万博の年ですね。日本の高度経済成長のピークくらいでしょうか。戦後から立ち直った日本人が自信を深めていた頃でしょう。このキャッチフレーズを見ますと、原発を町の象徴・誇りとしていたんだと思います。しかし、現在の福島原発の廃墟、双葉郡など周辺町村の悲惨な状況を考えると、この看板には複雑な思いになります。

     

     

     しばらく車を走らせると、この様な看板もありました。タクシー会社が原発関係者の送迎でのタクシー利用を促すものです。かつては漁業・農業が中心ののどかな町だったのでしょうが、今や原子力発電所が、住民の仕事の糧として、大きな存在になっているのでしょう。

     

     

     高台に出ると、玄海原発が見えてきました。緑と海の間に建つ、巨大な鉄塔と4機の原子炉建屋は、周囲の風景とは全く異質なものであることがわかります。大震災後にテレビで何度も見させられた福島原発を思い出し、少しだけ背筋が寒くなりました。今、大地震が起き大津波で施設が破壊され放射能が漏れたら、逃げ切れない距離です。

     

     

     漁業や農業を生業とする人々が住む集落が点在する玄海町。周辺にはイカで有名な呼子や、文禄・慶長の役で秀吉が築城した名護屋城跡があります。

     

     

     いよいよ玄海原発に到着しました。残念ながら原発の敷地内には一般人は入れません。ご覧のようにゲートがあり、警備員により厳重に管理されています。私のような一般人はここから右折し、原発に併設された「玄海エネルギーパーク」へと進みます。

     

     

     

     玄海エネルギーパークです。エネルギー関係、特に原子力発電の仕組みを中心に展示されています。これも「原発マネー」なのでしょう。広い敷地と立派な建物ですね。右側奥に遊戯施設があり、たくさんのこども達が無邪気に声を出して遊んでいました。これも福島から避難して不自由な生活を強いられているこども達を思うと、複雑な気持ちになりました。

     

     

     中に入ると、ご覧のように原子力発電所の中をシュミレーションしたような造りです。今となってはちょっと悪趣味にも見えてしまいます。

     

     

     

     ご覧のように展示物は発電の仕組みなどについてわかりやすく展示されており、結構勉強になります。一度は来場されることをおすすめします。

     ただし、火力発電などの他の発電方法に比べて、原発は温暖化に優しいとか、プルサーマルは放射性廃棄物の有効活用など、原子力発電を正当化しようと誘導する展示が多いのもちょっと気になりました。

     

     

     1年前の東日本大震災についての展示は、残念ながら、たった一枚のパネルだけでした。玄海原発に20cm、川内原発にも40cmの津波が到達していたそうです。驚きです。

     さて、福島第一発電所の事故の件については、ご覧のように「津波15m程度。自動停止→全電源・海水冷却等の機能喪失」としか書かれていません。水素爆発したこと、メルトダウン・メルトスルーしたこと、放射能が広範囲にばらまかれたこと、地域住民が被爆し、避難所にすし詰めにされ、避難先から未だに帰れないでいること、大気や海が放射能で汚染され、農業・漁業が壊滅状態なこと、原発周辺の老人施設や病院で、避難中に多数の死者が出たことなど、数々の重大な問題が発生したことは一切書かれていません。また、津波15m「程度」という災害を軽んじるような表現にも腹が立ちました。もちろん九電の例のやらせメール問題への対応・謝罪なども皆無です。

     みなさんは、どうお感じになりますか?

     

     

     

     原子力発電には、いろいろな発電方式がありますが、玄海原発は加圧水型軽水炉です。水を原子炉で高温・高圧の熱水にし、それを蒸気発生器に送り、そこで別の系統を流れている水を蒸気にかえてタービンに送ります。

     玄海エネルギーパークの外にある階段を登って屋上に上ると、原発の全景が間近に見れるようになっています。これはその時撮影した写真です。原子力発電所の敷地は約87万平方メートル。福岡ドームの約13個分に相当するそうです。ここで九州の電気の約25%が作られています。といっても、現在は 1〜4号機全て定期検査中で動いていませんし、やらせメール問題もあり、再開の目処もたっていないようです。

     手前の箱形の2機の右が1号機、左が2号機。奥のドーム型の2機の右が3号機、左が4号機です。手前の建物はパークに併設されている観賞用温室です。

     みなさんもご存じかと思いますが、玄海原発では3号機で2009年よりプルサーマル発電を実施しています。使い終わったウラン燃料を再処理して、ウランやプルトニウムを取り出して再利用するものです。再利用ということと、高レベル放射性廃棄物を減らせるという利点があります。しかし、取り扱うのはウラン燃料だけに、大災害が発生したときのことを考えますと、我々市民にとっては大きな不安を感じます。

     

     原発については大震災以後、危険性が強く指摘されています。私も現在の核分裂反応による発電はもう限界ではないかと思っています。福島の件でわかるように、いざというときには、人間の手に負えないバケモノになってしまいます。

     しかし、将来のエネルギー需要を考えると、太陽光や風力による自然エネルギーでは到底まかなえないという意見もあります。医療施設に電気が長期間供給されないと、各種検査はもちろん、手術や人工透析ができませんから、患者さんの命が奪われる事態にもなりかねません。

     現在、次世代の発電と言われる「核融合」が、日本を含む世界の英知が結集して研究されているようです。水素や重水素など、自然界に存在する無尽蔵の資源を使うことや、放射性廃棄物が出ないなど、是非成功して欲しいのですが、一方で水爆を作る技術と同じとも言えますし、融合炉の設計はかなり難しいとも聞きます。何よりも安全性がないがしろにされないよう切にお願いしたいと思います。


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